軽微

寸法精度不良

設計値と実測値の差異。機械的な調整とスライサー設定の両面からアプローチ。

症状の例

  • 設計値より大きく(または小さく)造形される
  • 穴径が設計値と合わない
  • パーツ同士が嵌合しない
  • X/Y/Z軸で誤差が異なる

主な原因

1. フロー率の不適切

フロー率が高すぎると造形物が大きくなり、低すぎると小さくなります。

2. ベルトの緩み

X/Y軸のベルトが緩んでいると、位置決め精度が低下し、寸法誤差が発生します。

3. 温度変動

ノズル温度やベッド温度の変動により、樹脂の収縮率が変わり、寸法誤差が生じます。

4. ステップ/mm設定の誤り

プリンターのステップ/mm設定が正しくないと、全体的な寸法誤差が発生します。

対策・チェックポイント

フロー率の調整

キャリブレーションキューブで測定して調整します。

  • • 20mm立方体を造形して実測
  • • 誤差に応じてフロー率を調整(通常95-105%)
  • • 外壁とインフィルで個別調整も可能

ベルトの張り調整

適切なテンションで位置決め精度を確保します。

  • • ベルトを指で弾いて音を確認(低い音が理想)
  • • 緩すぎず、張りすぎない程度に調整
  • • X軸とY軸のテンションを揃える

温度の安定化

一定の温度を維持することで収縮率を安定させます。

  • • PIDチューニングの実施
  • • 室温の変動を避ける
  • • エンクロージャーで庫内温度を一定に

ステップ/mmのキャリブレーション

各軸の移動量を正確に設定します。

  • • 100mm移動させて実測
  • • 誤差に応じてステップ/mm値を計算
  • • ファームウェアに設定を保存

水平補正(Horizontal Expansion)

スライサーの補正機能で寸法を調整します。

  • • 穴が小さい場合: 正の値(+0.1〜+0.2mm)
  • • 外形が大きい場合: 負の値(-0.1〜-0.2mm)
  • • 穴径補正(Hole Horizontal Expansion)も活用

冷却の最適化

適切な冷却で収縮を均一にします。

  • • 小さなパーツでは冷却強化
  • • 大きなパーツでは冷却を控えめに
  • • 材料に応じた冷却設定

寸法精度キャリブレーション手順

1. キャリブレーションキューブの造形

20mm × 20mm × 20mmの立方体を造形します。

2. 実測

ノギスで各辺を測定し、誤差を記録します。

3. フロー率の計算

新フロー率 = 現フロー率 × (設計値 / 実測値)

4. 再テスト

調整後、再度キューブを造形して確認します。