重要

層間剥離

積層した層同士の接着が不十分で、層が剥がれる現象。強度に直結する重大なトラブル。

症状の例

  • 層と層の間に隙間が見える
  • 造形物が簡単に層ごとに割れる
  • 側面に横方向の亀裂が入る
  • 造形途中で層が分離してしまう

主な原因

1. ノズル温度不足

温度が低すぎると、新しい層が前の層に十分に溶着せず、層間接着が弱くなります。

2. 冷却過多

パートクーリングファンが強すぎると、前の層が冷えすぎて新しい層との接着が弱くなります。

3. 層高が高すぎる

層高が高いと、層同士の接触面積が減り、接着力が低下します。

4. 印刷速度過速

速度が速すぎると、樹脂が十分に溶着する時間がなく、層間接着が弱くなります。

対策・チェックポイント

ノズル温度の上昇

推奨温度範囲の上限に近づけます。

  • • 5°C刻みで上げてテスト
  • • 糸引きが増えない範囲で調整
  • • 温度タワーで最適温度を見つける

ファン速度の調整

冷却を弱めて層間温度を保ちます。

  • • ファン速度を10-20%下げる
  • • 小さなパーツでは最小レイヤー時間を設定
  • • ABS/ASAではファンをほぼ使わない

層高の調整

層高を下げることで接着面積を増やします。

  • • 0.4mmノズルなら0.2mm以下を推奨
  • • 強度重視なら0.12-0.16mmも検討
  • • ノズル径の50-75%が目安

印刷速度の低減

速度を落として層間接着時間を確保します。

  • • 外壁速度: 30-50mm/s
  • • インフィル速度: 50-80mm/s
  • • 強度重視の場合はさらに遅く

フロー率の調整

フロー率を上げて層間の接触を改善します。

  • • 基本は100%から開始
  • • 層間剥離がある場合は102-105%に上げる
  • • 上げすぎると寸法精度が悪化

エンクロージャーの使用

庫内温度を保つことで層間接着を改善します。

  • • ABS/ASA/PCでは特に有効
  • • 庫内温度40-60°Cを維持
  • • PLAでは不要(むしろ悪影響の場合も)