中程度

糸引き(ストリンギング)

ノズル移動時に細い糸状の樹脂が残る現象。見た目を損ねるが、後処理で除去可能。

症状の例

  • 造形物の間に細い糸状の樹脂が張る
  • 移動経路に沿って樹脂の筋が残る
  • 表面に細かい毛羽立ちが発生する
  • 複数パーツの同時造形で特に顕著

主な原因

1. リトラクション設定不足

リトラクション(引き戻し)の距離や速度が不適切だと、ノズル移動時に樹脂が垂れて糸引きが発生します。

2. ノズル温度過高

温度が高すぎると樹脂の粘度が下がり、ノズルから垂れやすくなります。

3. 移動速度が遅い

ノズルの移動速度が遅いと、移動中に樹脂が垂れる時間が長くなり、糸引きが発生しやすくなります。

4. フィラメントの吸湿

フィラメントが湿気を吸うと、加熱時に水蒸気が発生し、糸引きの原因となります。

対策・チェックポイント

リトラクション設定の最適化

フィラメントとプリンターに応じて調整します。

  • • ダイレクトドライブ: 0.5-2mm
  • • ボーデンチューブ: 4-8mm
  • • リトラクション速度: 25-45mm/s
  • • 少しずつ調整してテストする

ノズル温度の下降

推奨温度範囲の下限から試します。

  • • 5°C刻みで下げてテスト
  • • 層間接着が弱くならない範囲で調整
  • • 温度タワーテストが有効

移動速度の向上

ノズルの移動速度を上げることで糸引きを軽減します。

  • • トラベル速度: 150-200mm/s
  • • Z軸ホップを有効化(必要に応じて)
  • • コーミングモードの活用

フィラメントの乾燥

特にPETG、ナイロンなど吸湿しやすい材料で重要です。

  • • フィラメントドライヤーで乾燥(50-60°C、4-6時間)
  • • 密閉容器に乾燥剤と一緒に保管
  • • 開封後は早めに使い切る

スライサー設定の調整

スライサーの詳細設定で糸引きを抑制します。

  • • 最小移動距離の設定
  • • ワイプ機能の有効化
  • • コースト設定の調整

後処理方法

糸引きが発生してしまった場合の除去方法:

  • ヒートガンで軽く炙る(PLAなど低温材料)
  • カッターやニッパーで切り取る
  • サンドペーパーで研磨
  • 手で引きちぎる(細かい糸の場合)